お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
大きく一歩さがって顔を背け、「は、肌が弱くて……」と苦し紛れの嘘をつく。途端、彼が思案顔になった。
(何? やだ……怖いんだけど)
この沈黙が怖くてたまらない。先ほどまでもう大丈夫な気がして警戒心が緩くなっていた自分を殴りたくなって、瑞希はきゅっと唇を引き結んだ。
「なるほど。肌が……。ふむ、触った感じ乾燥しているわけでもなく脂性肌というわけでもなさそうですね。もしかして敏感肌ですか?」
「へ……?」
露口の分析に一瞬呆ける。瑞希が固まっていると優しく微笑みかけてくれた。
「それとも混合肌ですか? 今度肌に合う化粧品を贈りたいので教えてくださると嬉しいのですが……」
「え……えーっと、び、敏感肌です。化粧品選びに失敗すると、いつも荒れてしまうんですよね。だからあまりメイクができなくて……」
見合いでは濃いめのメイクをしていたので、こう言っておけば疑いも逸れるだろうと、瑞希は露口に嘘をついた。
「分かりました。近々、うちの化粧品部門から肌に優しい化粧品が出るので、それをプレゼントします。その時は是非使った貴方を見せてください」
彼の気遣いと柔らかい笑顔が、今はなぜか突き刺さるように痛かった。
(何? やだ……怖いんだけど)
この沈黙が怖くてたまらない。先ほどまでもう大丈夫な気がして警戒心が緩くなっていた自分を殴りたくなって、瑞希はきゅっと唇を引き結んだ。
「なるほど。肌が……。ふむ、触った感じ乾燥しているわけでもなく脂性肌というわけでもなさそうですね。もしかして敏感肌ですか?」
「へ……?」
露口の分析に一瞬呆ける。瑞希が固まっていると優しく微笑みかけてくれた。
「それとも混合肌ですか? 今度肌に合う化粧品を贈りたいので教えてくださると嬉しいのですが……」
「え……えーっと、び、敏感肌です。化粧品選びに失敗すると、いつも荒れてしまうんですよね。だからあまりメイクができなくて……」
見合いでは濃いめのメイクをしていたので、こう言っておけば疑いも逸れるだろうと、瑞希は露口に嘘をついた。
「分かりました。近々、うちの化粧品部門から肌に優しい化粧品が出るので、それをプレゼントします。その時は是非使った貴方を見せてください」
彼の気遣いと柔らかい笑顔が、今はなぜか突き刺さるように痛かった。