お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
(うう、胃が痛い……)
胃のあたりをさすりながらエレベーターを呼ぶためにボタンを押そうとした。すると、後ろから手が伸びてきて誰かが代わりに押してくれる。
「ありがとうございま……っ!」
振り返ってお礼を言おうとした瞬間、エレベーターを押した人の顔に目を見張る。
(社長……!?)
こんなところで再会するとは思っていなくて、予想外の事態に動けなかった。エレベーターの扉が開いた音がやけに耳に響く。
「乗らないんですか?」
「……あ! の、乗ります!」
瑞希が立ち尽くしていると、先に露口がエレベーターに乗って声をかけてくる。慌てて乗り込み隅に寄った。心なしかエレベーターがいつもよりゆっくりな気がして冷や汗が止まらない。
(ど、どうしよう……)
やっぱり運命の神様はドSだ。密室でこの人と二人きりにするなんて意地悪のレベルを超えている。
「白衣を着ているということは……貴方が原田瑞希さんですか?」
「え? は、はい……」
頷くと、彼が顔をジッと見てくる。瑞希は顔を俯けて、これ以上ないくらい隅に寄った。
「雰囲気が違うのでよく分からないな……。原田さん。少しマスクを外してもらえませんか?」
「え……い、いやです!」
胃のあたりをさすりながらエレベーターを呼ぶためにボタンを押そうとした。すると、後ろから手が伸びてきて誰かが代わりに押してくれる。
「ありがとうございま……っ!」
振り返ってお礼を言おうとした瞬間、エレベーターを押した人の顔に目を見張る。
(社長……!?)
こんなところで再会するとは思っていなくて、予想外の事態に動けなかった。エレベーターの扉が開いた音がやけに耳に響く。
「乗らないんですか?」
「……あ! の、乗ります!」
瑞希が立ち尽くしていると、先に露口がエレベーターに乗って声をかけてくる。慌てて乗り込み隅に寄った。心なしかエレベーターがいつもよりゆっくりな気がして冷や汗が止まらない。
(ど、どうしよう……)
やっぱり運命の神様はドSだ。密室でこの人と二人きりにするなんて意地悪のレベルを超えている。
「白衣を着ているということは……貴方が原田瑞希さんですか?」
「え? は、はい……」
頷くと、彼が顔をジッと見てくる。瑞希は顔を俯けて、これ以上ないくらい隅に寄った。
「雰囲気が違うのでよく分からないな……。原田さん。少しマスクを外してもらえませんか?」
「え……い、いやです!」