お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
 ハッとすると先ほどまで熱烈に迫ってきた彼はおらず、枕をぎゅっと抱き締めていた。瑞希は目を瞬かせたのち、ゆっくりと体を起こし室内を見回した。

 応接用のテーブルには仕事をしていたのかノートパソコンの電源がついたままで書類も散乱している。そのうえ当の康弘はソファーに身を預け腕を組んで眠っていた。

「ゆ、夢……?」

(嘘でしょ! わ、私ったらなんて破廉恥な夢を見てるのよ!)

 康弘への想いを自覚したからだろうか。それとも帰ったらねちっこく抱くと言われたから意識してしまったのだろうか。

 瑞希はベッドの上で静かに身悶えた。

(もうやだ。こんなの欲求不満みたいじゃないの!)
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