大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「俺もカッとなりすぎて悪かった。でも侑奈を大切に思うがゆえなんだ。それは分かってほしい」
「はい。もう二度としないと約束します。お仕事だって、隆文が私のことを信用できるまでやめておきます」
「……侑奈はそれでいいのか?」
「いいです。それ以上に貴方を心配させ傷つけるほうが嫌ですから」

 ポケットからハンカチを出して顔を拭いていると、隆文が安堵と苦悩が入り混じったような複雑な表情を浮かべた。侑奈がジッと見ると、強く抱いてくれる。

「ごめん……器の小さい弱い男で……」
「そんなこと……いえ、たまにそういうときもありますけど……別に弱くたって余裕がなくたっていいじゃないですか。私も完璧じゃないように隆文も完璧じゃなくていいです。どちらかが間違えるたびに、ちゃんと話し合っていけばいいだけですから」

 隆文の首筋に頬ずりし力一杯抱きついた。彼は少し涙ぐんでいる。


「隆文……私、隆文のことが好きです。今回会えない間に身に沁みて分かりました。貴方は私がいないと駄目と言うけど、私もです。私も隆文がいてくれないと駄目なんです」
「……侑奈が俺を好き? 本当に?」
「本当です。大嫌いだった昔と同じくらい……いえそれ以上の強い気持ちで好きになってしまいました。私の心をひっくり返したんですから責任とってくださいね」

 不敵な笑みを浮かべてジッと見つめる。その瞬間、隆文の瞳から涙がブワッとあふれた。

「隆文!?」
「嬉しい。責任取るよ。責任取って二度と離さない。ずっと俺の腕の中に閉じ込めておくから」
「それはちょっと……」

 侑奈が困り顔で笑うと、隆文がキスをねだってくる。
 その後は泣いて甘えてくる隆文を慰めながら何度もキスに興じた。
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