大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「嫌だと言ったら、教授は私をどうしますか?」
「そうだね、四肢を切り落として連れて帰ろうか。手足がなくとも君の知識さえ使えればそれでいいからね」
「……なんてことを」
「でも痛いのもつらいのも嫌だろう? 私も可愛い教え子を傷つけたくなんてないから大人しく従ってほしいけどね」
(狂ってる……!)
「分かりました……従います」
「いい子だ」
項垂れて従ったふりを見せると、篠原が喜んだので、その隙に侑奈は篠原めがけて渾身の力で体当たりをした。
「っ!」
バランスを崩した篠原が倒れ込む。そんな彼の上に馬乗りになって、彼の手から薬が入った小瓶を引ったくり、侑奈はこちらに向かってこようとする警備員に向かって叫んだ。
「動いたら教授にこの毒を飲ませます」
「ふ、ふざけるな! どうやら君は一度痛い目を見なければ分からないようだな」
篠原は小瓶を持つ侑奈の手を掴んで取り上げようとした。取られまいと必死に力を入れるが相手の力が強いので負けそうだ。侑奈はなんとか力を込めてぐぐぐ……と小瓶を彼の口元に押しつけようとした。そのとき、ものすごい強さに押し返されて、小瓶の中身がこぼれて篠原にかかってしまう。
「うわあぁあっ!」
「きゃあっ」
その瞬間篠原が叫び出し突き飛ばされる。彼は慌ててかかった薬を拭きながら叫んだ。
「なんてことをするんだ! これは毒だぞ!」
「だから何なの? 自分でつくったものなんだから、身をもって自分で試してみなさいよ! 多くの人の苦しみを知るといいんだわ」
「このくそ女! 殺してやる!」
途端、激昂した篠原に顔を殴られる。突如として走った鋭い痛みと衝撃に壁まで体が飛んだ。その瞬間、頭を強く打ちつけてしまう。
(……そういえば服用したときしか調べていないけど、皮膚に塗布した場合はどうなるのかしら)
篠原の皮膚が爛れたりするのだろうか、それとも服用したときと同じように麻痺が起きるのだろうか、そうなればいいのにと……侑奈が遠のく意識でぼんやり考えたとき、ドアがバンッと開く。
「侑奈、大丈夫か? 侑奈! おい、侑奈!」
隆文の呼ぶ声が遠くで聞こえるがうまく返事ができなかった。
「そうだね、四肢を切り落として連れて帰ろうか。手足がなくとも君の知識さえ使えればそれでいいからね」
「……なんてことを」
「でも痛いのもつらいのも嫌だろう? 私も可愛い教え子を傷つけたくなんてないから大人しく従ってほしいけどね」
(狂ってる……!)
「分かりました……従います」
「いい子だ」
項垂れて従ったふりを見せると、篠原が喜んだので、その隙に侑奈は篠原めがけて渾身の力で体当たりをした。
「っ!」
バランスを崩した篠原が倒れ込む。そんな彼の上に馬乗りになって、彼の手から薬が入った小瓶を引ったくり、侑奈はこちらに向かってこようとする警備員に向かって叫んだ。
「動いたら教授にこの毒を飲ませます」
「ふ、ふざけるな! どうやら君は一度痛い目を見なければ分からないようだな」
篠原は小瓶を持つ侑奈の手を掴んで取り上げようとした。取られまいと必死に力を入れるが相手の力が強いので負けそうだ。侑奈はなんとか力を込めてぐぐぐ……と小瓶を彼の口元に押しつけようとした。そのとき、ものすごい強さに押し返されて、小瓶の中身がこぼれて篠原にかかってしまう。
「うわあぁあっ!」
「きゃあっ」
その瞬間篠原が叫び出し突き飛ばされる。彼は慌ててかかった薬を拭きながら叫んだ。
「なんてことをするんだ! これは毒だぞ!」
「だから何なの? 自分でつくったものなんだから、身をもって自分で試してみなさいよ! 多くの人の苦しみを知るといいんだわ」
「このくそ女! 殺してやる!」
途端、激昂した篠原に顔を殴られる。突如として走った鋭い痛みと衝撃に壁まで体が飛んだ。その瞬間、頭を強く打ちつけてしまう。
(……そういえば服用したときしか調べていないけど、皮膚に塗布した場合はどうなるのかしら)
篠原の皮膚が爛れたりするのだろうか、それとも服用したときと同じように麻痺が起きるのだろうか、そうなればいいのにと……侑奈が遠のく意識でぼんやり考えたとき、ドアがバンッと開く。
「侑奈、大丈夫か? 侑奈! おい、侑奈!」
隆文の呼ぶ声が遠くで聞こえるがうまく返事ができなかった。