大嫌いな幼馴染みはどうやら私のことが好きらしい
「……」
その後は「元気だったか?」とか「大学生活はどうだった?」とか、彼の質問を受けながらしばらく近所を散歩した。
話している間ずっと――辿々しく話す彼の声音から緊張しているのが伝わってくる。
(隆文くん……変わったわね……。でもそりゃそうか……)
正直、自分に対してこんなにも気を遣ってくれる人だとは思わなかった。
隆文と出会ってからの十八年間。それは侑奈が彼を嫌い、避けていた時間でもある。だが、二人が子供から大人へと成長した時間でもあるのだ。
それほどに長い年月――ちゃんと彼と向き合ったことがなかったのだから、変わったというより何も知らなかったのだろう。
(当たり前だけど、私は彼のほんの一部分しか見てなかったのよね)
人間は色々な顔を持っている。家族に向ける顔や友人、知人に向ける顔。仕事中の顔。だからこそわずかな情報だけでは、その人を知り得ることなんてできないだろう。
「……俺、ずっと後悔してたんだ」
「え?」
考え事をしていた思考が隆文の言葉により戻ってくる。侑奈が顔を上げると、隆文が苦々しい表情をしていた。
「あのときどうしてあんなことしたんだろうって……ずっと後悔してた。虐めたりせずに素直に仲良くなりたいって言えてたら……俺たちはきっと……悠斗も入れて、三人で仲良く遊んでたのかなとか、よく考えた。俺が間違えなければ、たくさんの思い出を作れたのにって……何度も何度も後悔していた」
「……」
その彼の言葉を受けて、侑奈は胸が痛くなった。
その後は「元気だったか?」とか「大学生活はどうだった?」とか、彼の質問を受けながらしばらく近所を散歩した。
話している間ずっと――辿々しく話す彼の声音から緊張しているのが伝わってくる。
(隆文くん……変わったわね……。でもそりゃそうか……)
正直、自分に対してこんなにも気を遣ってくれる人だとは思わなかった。
隆文と出会ってからの十八年間。それは侑奈が彼を嫌い、避けていた時間でもある。だが、二人が子供から大人へと成長した時間でもあるのだ。
それほどに長い年月――ちゃんと彼と向き合ったことがなかったのだから、変わったというより何も知らなかったのだろう。
(当たり前だけど、私は彼のほんの一部分しか見てなかったのよね)
人間は色々な顔を持っている。家族に向ける顔や友人、知人に向ける顔。仕事中の顔。だからこそわずかな情報だけでは、その人を知り得ることなんてできないだろう。
「……俺、ずっと後悔してたんだ」
「え?」
考え事をしていた思考が隆文の言葉により戻ってくる。侑奈が顔を上げると、隆文が苦々しい表情をしていた。
「あのときどうしてあんなことしたんだろうって……ずっと後悔してた。虐めたりせずに素直に仲良くなりたいって言えてたら……俺たちはきっと……悠斗も入れて、三人で仲良く遊んでたのかなとか、よく考えた。俺が間違えなければ、たくさんの思い出を作れたのにって……何度も何度も後悔していた」
「……」
その彼の言葉を受けて、侑奈は胸が痛くなった。