大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「してるよ。うちと侑奈の家は、別に改めて婚姻を結ばなくても大丈夫なくらい強固な関係じゃないか。もしもどちらかに何かあれば、必ず片方が助けるだろ」
「え……はい、そうですね。祖母も玲子さんも放っておかないと思います」
「だろ。俺も悠斗とは親友だし、今後もその関係は引き継がれていくよ」
「……」
「それでも婚姻を結びたいのは、本物の家族になりたいという祖母たちの願いだ。政略結婚ではないよ」
(あ……)
侑奈が目を丸くすると、隆文がクスッと笑う。
「そもそもそこがズレてるんだよな。それに俺もちゃんと侑奈に好きになってもらってから結婚したいと思ってるから、別に侑奈が恋愛結婚を望んだからって間違ってない。身内だから難しいかもしれないけど、侑奈の祖父の言うことなんて気にせず、俺たちのペースで進めていこう」
「……っ!」
隆文の熱い眼差しに動けなくなり、しばし見つめ合う。勝手に高鳴る心臓を悔しく思うのに目が離せなかった。
すると、自分の頬に向かって隆文が手を伸ばしてきたので、咄嗟に避けると彼が苦笑する。
「俺たちは空白の時間も長いし、まずはお互いをよく知っていこう。侑奈の好きなものとか教えてよ」
「お兄様から聞いて知ってるでしょう」
「それでも知りたい」
「……うーん。一番好きなのは勉強でしょうか。知識は裏切りませんし」
「言うと思った。お前らしいな」
「隆文くんだって仕事好きでしょ」
くつくつと笑う隆文に頬を染めて、薄く睨みつけると、また頬に手が伸びてくる。でも次は避けさせてもらえなくて、呆気なく頬を触られてしまった。
「もう少し仲良くなったら、研究所のほうで働けるようにしてやるよ」
「本当ですか?」
「ああ、任せておけ。うまく働きかけてやる」
(嬉しい!)
先ほどとは違う高揚が胸を包む。
思わず隆文に抱きついてお礼を言うと、彼が意地悪な笑みを向けてきた。そして隆文の唇をトントンと叩く。
「お礼はハグよりキスのほうがいいかな」
「ばっ、馬鹿! 何言ってるのよ!」
顔を真っ赤にして立ち上がると、周りの驚いた視線が侑奈に集中し、途端に恥ずかしくなった。周りを憚りながら座り直し、隆文に恨みがましげな視線を送る。
「隆文くんの馬鹿。変なこと言わないで」
「変なことじゃないよ。俺の希望を伝えたまでだ」
(希望って……何言ってるのよ!)
不貞腐れつつ、お酒に手を伸ばす。
「え……はい、そうですね。祖母も玲子さんも放っておかないと思います」
「だろ。俺も悠斗とは親友だし、今後もその関係は引き継がれていくよ」
「……」
「それでも婚姻を結びたいのは、本物の家族になりたいという祖母たちの願いだ。政略結婚ではないよ」
(あ……)
侑奈が目を丸くすると、隆文がクスッと笑う。
「そもそもそこがズレてるんだよな。それに俺もちゃんと侑奈に好きになってもらってから結婚したいと思ってるから、別に侑奈が恋愛結婚を望んだからって間違ってない。身内だから難しいかもしれないけど、侑奈の祖父の言うことなんて気にせず、俺たちのペースで進めていこう」
「……っ!」
隆文の熱い眼差しに動けなくなり、しばし見つめ合う。勝手に高鳴る心臓を悔しく思うのに目が離せなかった。
すると、自分の頬に向かって隆文が手を伸ばしてきたので、咄嗟に避けると彼が苦笑する。
「俺たちは空白の時間も長いし、まずはお互いをよく知っていこう。侑奈の好きなものとか教えてよ」
「お兄様から聞いて知ってるでしょう」
「それでも知りたい」
「……うーん。一番好きなのは勉強でしょうか。知識は裏切りませんし」
「言うと思った。お前らしいな」
「隆文くんだって仕事好きでしょ」
くつくつと笑う隆文に頬を染めて、薄く睨みつけると、また頬に手が伸びてくる。でも次は避けさせてもらえなくて、呆気なく頬を触られてしまった。
「もう少し仲良くなったら、研究所のほうで働けるようにしてやるよ」
「本当ですか?」
「ああ、任せておけ。うまく働きかけてやる」
(嬉しい!)
先ほどとは違う高揚が胸を包む。
思わず隆文に抱きついてお礼を言うと、彼が意地悪な笑みを向けてきた。そして隆文の唇をトントンと叩く。
「お礼はハグよりキスのほうがいいかな」
「ばっ、馬鹿! 何言ってるのよ!」
顔を真っ赤にして立ち上がると、周りの驚いた視線が侑奈に集中し、途端に恥ずかしくなった。周りを憚りながら座り直し、隆文に恨みがましげな視線を送る。
「隆文くんの馬鹿。変なこと言わないで」
「変なことじゃないよ。俺の希望を伝えたまでだ」
(希望って……何言ってるのよ!)
不貞腐れつつ、お酒に手を伸ばす。