大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜

酔っ払い(隆文視点)

(困った……)

 隆文は酔っ払った侑奈を自室のベッドに転がし、溜息をついた。

 侑奈は酒を二杯飲んだだけで、かなり酔ってしまったようで、先ほどまで気持ち悪いと大騒ぎだったのだ。吐いてしまった彼女を介抱し、メイクを落としスキンケアや歯磨きまでして、やっと一息つく。

「サワーを二杯飲んだくらいで酔っ払うなよな」

 隆文の膝を枕にしてすやすやと眠る彼女の頬を摘む。すると、彼女は眉間に皺を寄せてうなされ始めたので、手を離した。

(もう絶対飲まさねぇ。はぁっ、それにしても危機感なさすぎだろ)

 嫌いな男から友達に昇格できたのは良かったが、如何せんまったく警戒されていないように感じる。

 隆文はまた深い溜息をついた。
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