大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「馬鹿。意地悪……やっぱり嫌い」
「へぇ。侑奈は相性を試すためなら嫌いな男ともキスできるんだ?」
「は? そんなわけ……」
「なら、俺のこと嫌いじゃないよな?」
「……っ!」

 侑奈がついた悪態に挑発的に笑う隆文に、二の句が継げない。彼は楽しそうに笑いながら、侑奈の首筋に吸いついてきた。

「えっ、何? 待っ……ああっ」

 逃げようとする侑奈の体を巧みに押さえつけ、ベッドに沈める。その状況が信じられなくて顔を真っ赤にさせて目を大きく見開いた。


「やだ、待って……隆文くん、ごめんなさい」
「隆文」
「隆文……わ、私、はじめてなのに、相性とか言って調子乗ってましたよね? あ、謝るから、もう……」

 うつ伏せに寝ころばされ、その上に彼がのしかかっている。起きる未来が予測されて、血の気が引いていった。隆文は慌てる侑奈を楽しげに見つめながら、指で侑奈の背中を触ってくる。

「今さら中断なんてできるわけねぇだろ。だから、無理するなって言ってやったのに」
「ひゃあ……ご、ごめんなさっ……」
「謝ってないで、俺と付き合えるか考えてくれればいいから」

 ニコリと笑って背中に口づけ舌を這わせる隆文に、侑奈はもう泣きそうだった。涙をいっぱい溜めて彼に助けを求める。

 だがそれは逆効果だったようで、侑奈の泣き顔を見た途端、隆文の表情がかつてのいじめっ子の顔に変わった。


「可愛い。やっぱり侑奈は泣き顔が最高だよな。もっとその顔見せろよ」
「ひぇっ……」

(なんで? どうして?)

 侑奈が混乱している間にも、着ていたパジャマとキャミソールが脱がされ下着姿にされてしまう。ジタバタと暴れると、彼がキスするのに邪魔だと言ってブラのホックを外したので、慌ててブラが落ちないように片手で押さえた。そのせいで、まともな抵抗ができない。

(こ、これのどこがキス!?)

 背中に這う彼の舌の熱さに体が震える。侑奈が自分の浅はかさを呪っていると、隆文が侑奈の腰まわりを撫でながら笑った。
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