大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「もうやだ。どうして、こんな……。い、今の隆文は嫌です」

 いつもの優しい隆文に戻ってほしくて、縋るような目で彼のほうを向くと、楽しそうに笑っている彼と目が合う。その眼差しに心臓が跳ねてバッと視線を外した。


「侑奈。付き合うかどうか早く答えてくれないと、待ちくたびれすぎてもっと際どいところにまでキスしたくなるぞ。それでもいいなら答えなくてもいいが……」
「え……だ、駄目っ」

 侑奈が首を横に振ると、隆文が「じゃあ早く」と急かしてくる。首裏から背中、腰へとなぞるように滑る彼の舌に、半ばやけくそに叫んだ。

「分かった。付き合う! 付き合うからぁっ」

 その言葉と共に、隆文の舌の動きが止まる。
 はぁはぁと肩で息をしながら、侑奈がぐったりと体をベッドに沈めると、隆文が満足げに笑った。その表情に肌が粟立つ。

(あ、あれ? 付き合うってことは……それ以上のことも許すってことにならない?)
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