大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「じゃあ、隆文さまのお部屋のお掃除に行ってきます」
「ええ、お願いね」
掃除道具を持ち母屋へ向かう。
ドアの前で深呼吸をして、主のいない部屋に入った。
(えっと……カーテン……)
「う……」
陽を入れるためにカーテンを開けると、小さな呻き声が聞こえて体がビクッと跳ねる。
(え、な、何!?)
おそるおそる振り返ると、ベッドの上で誰かが身動いだ。
「眩しい……」
「た、隆文、さまっ……!? 帰っていらしたのですか?」
(嘘でしょ、いたの? 帰ってくるのは明日だったはずなのに……!)
「ああ……夜明け前に帰ってきたんだ。それよりまだ寝たいから、カーテン閉めてくれ」
「も、申し訳ございません……!」
ぺこりと頭を下げて、慌ててカーテンを閉める。それと同時に規則正しい寝息が聞こえてきた。
(もう寝たの? よほど疲れているのね……)
そっと近づいて隆文の顔を覗き込む。
記憶の中の彼とは違い、キリッとした眉にスッと通った鼻筋の精悍な顔立ちの美青年だった。眠っていても分かるくらい凛々しくてかっこいい。
(……悔しいくらいのイケメンに育ったわね。でも玲子さんも隆文くんのお父様も……皆整った顔をしているから当然と言えば当然なのかしら)
「……」
全開のシャツから見える筋肉が悩ましくて、頬を染めながら起こさないようにそっとボタンを閉める。
そしてソファーに掛けられたジャケットやネクタイを手に取り、簡単に部屋を整えてから逃げるように退室した。
(あわわ……どうしよう。帰ってきちゃった!!)
いないからと呑気に働いていたが、帰ってきたなら話は別だ。先ほど荒井には平気だと言ったが、実際会うと動悸が止まらない。
(うう……もう大人なんだし、虐めてきたりはしないだろうけど……やっぱりちょっと不安だわ)
侑奈は足取り重く使用人棟へ戻った。
「ええ、お願いね」
掃除道具を持ち母屋へ向かう。
ドアの前で深呼吸をして、主のいない部屋に入った。
(えっと……カーテン……)
「う……」
陽を入れるためにカーテンを開けると、小さな呻き声が聞こえて体がビクッと跳ねる。
(え、な、何!?)
おそるおそる振り返ると、ベッドの上で誰かが身動いだ。
「眩しい……」
「た、隆文、さまっ……!? 帰っていらしたのですか?」
(嘘でしょ、いたの? 帰ってくるのは明日だったはずなのに……!)
「ああ……夜明け前に帰ってきたんだ。それよりまだ寝たいから、カーテン閉めてくれ」
「も、申し訳ございません……!」
ぺこりと頭を下げて、慌ててカーテンを閉める。それと同時に規則正しい寝息が聞こえてきた。
(もう寝たの? よほど疲れているのね……)
そっと近づいて隆文の顔を覗き込む。
記憶の中の彼とは違い、キリッとした眉にスッと通った鼻筋の精悍な顔立ちの美青年だった。眠っていても分かるくらい凛々しくてかっこいい。
(……悔しいくらいのイケメンに育ったわね。でも玲子さんも隆文くんのお父様も……皆整った顔をしているから当然と言えば当然なのかしら)
「……」
全開のシャツから見える筋肉が悩ましくて、頬を染めながら起こさないようにそっとボタンを閉める。
そしてソファーに掛けられたジャケットやネクタイを手に取り、簡単に部屋を整えてから逃げるように退室した。
(あわわ……どうしよう。帰ってきちゃった!!)
いないからと呑気に働いていたが、帰ってきたなら話は別だ。先ほど荒井には平気だと言ったが、実際会うと動悸が止まらない。
(うう……もう大人なんだし、虐めてきたりはしないだろうけど……やっぱりちょっと不安だわ)
侑奈は足取り重く使用人棟へ戻った。