大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「それに花秋さんって、あの花秋メディカルグループのお嬢様でしょう?」
「そもそも貴方のお兄様と隆文さま――めちゃくちゃ仲良いのに、むしろどうしてバレないと思ったの? 最近はお忙しいのかお見えにならないけど、貴方のお兄様……昔はよくこの屋敷に入り浸っていたわよ」
「う……」
ぐうの音も出ない。
確かに祖母と玲子だけでなく、兄と隆文もとても仲がいい。そのうえ、花秋は珍しい苗字なので、わざわざ言うまでもないだろう。
分かっていたのに追及せずに同僚として接してくれていたのだと知り、胸がじんわりとあたたかくなる。
「今まで黙っていてごめんなさい」
「謝らないで。花秋さんにだって事情があるんでしょ?」
「そうよ。気にしなくていいわ。それより、隆文さまとどうなの? 悠斗さまと隆文さまが幼馴染みということは、花秋さんもよね? ってことは恋愛結婚? でもどうしてメイドしてるの?」
侑奈が頭を下げようとすると、皆が侑奈を制止し、ずいっと近寄ってくる。そんな彼女たちに気圧されるように侑奈は一歩後退った。
「えっと……私たちはあまり会ったことがなかったので……恋愛はまだ……。メイドとして働くことにしたのは彼のことを知るためです。……それに正式に決めちゃう前にお互い相性とか色々知ったほうがいいかなって、今お試しでお付き合いもさせていただいています」
「ああ、なるほど。それは大切よね。結婚してから合わないって分かったら最悪だもの」
侑奈がそう答えると、彼女たちがうんうんと同意してくれる。皆が賛同してくれたことで、侑奈は自分が間違っていなかったのだとホッと息をついた。
(良かった。やっぱり相性を確認するのって必要よね)
そして侑奈は勢いに任せて、恋愛というのはまだよく分からないが――隆文が優しくしてくれるのでこのまま側にいてもいいんじゃないかと思えてきていると、自分の心の内を白状した。
「そうね、私はこのまま捕まえておくべきだと思うわ」
「そうよ。うちの坊ちゃんは優良物件よ」
「ここだけの話。私、昔玲子さまの秘書の柚木さんから隆文さまの恋愛事情を聞いたことあるのよ。ずっと悠斗さまの妹に不毛な片想いをしているって言ってたわ。それって花秋さんのことよね?」
「!」
その言葉と共に黄色い声が上がる。
「そもそも貴方のお兄様と隆文さま――めちゃくちゃ仲良いのに、むしろどうしてバレないと思ったの? 最近はお忙しいのかお見えにならないけど、貴方のお兄様……昔はよくこの屋敷に入り浸っていたわよ」
「う……」
ぐうの音も出ない。
確かに祖母と玲子だけでなく、兄と隆文もとても仲がいい。そのうえ、花秋は珍しい苗字なので、わざわざ言うまでもないだろう。
分かっていたのに追及せずに同僚として接してくれていたのだと知り、胸がじんわりとあたたかくなる。
「今まで黙っていてごめんなさい」
「謝らないで。花秋さんにだって事情があるんでしょ?」
「そうよ。気にしなくていいわ。それより、隆文さまとどうなの? 悠斗さまと隆文さまが幼馴染みということは、花秋さんもよね? ってことは恋愛結婚? でもどうしてメイドしてるの?」
侑奈が頭を下げようとすると、皆が侑奈を制止し、ずいっと近寄ってくる。そんな彼女たちに気圧されるように侑奈は一歩後退った。
「えっと……私たちはあまり会ったことがなかったので……恋愛はまだ……。メイドとして働くことにしたのは彼のことを知るためです。……それに正式に決めちゃう前にお互い相性とか色々知ったほうがいいかなって、今お試しでお付き合いもさせていただいています」
「ああ、なるほど。それは大切よね。結婚してから合わないって分かったら最悪だもの」
侑奈がそう答えると、彼女たちがうんうんと同意してくれる。皆が賛同してくれたことで、侑奈は自分が間違っていなかったのだとホッと息をついた。
(良かった。やっぱり相性を確認するのって必要よね)
そして侑奈は勢いに任せて、恋愛というのはまだよく分からないが――隆文が優しくしてくれるのでこのまま側にいてもいいんじゃないかと思えてきていると、自分の心の内を白状した。
「そうね、私はこのまま捕まえておくべきだと思うわ」
「そうよ。うちの坊ちゃんは優良物件よ」
「ここだけの話。私、昔玲子さまの秘書の柚木さんから隆文さまの恋愛事情を聞いたことあるのよ。ずっと悠斗さまの妹に不毛な片想いをしているって言ってたわ。それって花秋さんのことよね?」
「!」
その言葉と共に黄色い声が上がる。