大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
玲子との面談
(うう、あんなところで立ち話をしていないで使用人棟の事務所で話しておけば良かった……!)
そうしたら玲子に聞かれなかったのにと肩を落としながら、侑奈は玲子と一緒に彼女の部屋へ向かった。
(そういえば……週末に隆文のマンションに泊まったことがバレたら、どうなるのかしら)
もしかすると侑奈と隆文を置き去りにして瞬く間に話が進むかもしれない。そこまで考えて背筋が寒くなった。そのとき玲子が手招きしたので、侑奈は向かい合う形でソファーに腰掛ける。
「あの……仕事中に雑談していてすみませんでした」
「そんなことは別にいいのよ。それよりおめでとう。隆文とお付き合いすることになったんでしょう? そのうえお泊まりだなんて、最近の子は進むのが早いわね。あまりにも嬉しかったから話を聞きたくて、仕事を切り上げて帰ってきちゃった」
(バ、バレてる……!?)
息継ぎも忘れてすごく嬉しそうに話し出す玲子に、侑奈は慄いた。
「た、隆文から聞いたんですか?」
「いいえ、悠斗くんに教えてもらったの」
「え……」
予想もしていなかった名前が上がって、侑奈は目をぱちくりさせた。だが、次の瞬間には得心がいって大仰な溜息をつく。
隆文のことだ。大方、嬉しすぎて黙っていられず親友である兄に報告したのだろう。
(ばかふみ……)
もう兄に何も話すなと隆文に釘を刺して置かねばと、侑奈は心の中で舌打ちをした。
そうしたら玲子に聞かれなかったのにと肩を落としながら、侑奈は玲子と一緒に彼女の部屋へ向かった。
(そういえば……週末に隆文のマンションに泊まったことがバレたら、どうなるのかしら)
もしかすると侑奈と隆文を置き去りにして瞬く間に話が進むかもしれない。そこまで考えて背筋が寒くなった。そのとき玲子が手招きしたので、侑奈は向かい合う形でソファーに腰掛ける。
「あの……仕事中に雑談していてすみませんでした」
「そんなことは別にいいのよ。それよりおめでとう。隆文とお付き合いすることになったんでしょう? そのうえお泊まりだなんて、最近の子は進むのが早いわね。あまりにも嬉しかったから話を聞きたくて、仕事を切り上げて帰ってきちゃった」
(バ、バレてる……!?)
息継ぎも忘れてすごく嬉しそうに話し出す玲子に、侑奈は慄いた。
「た、隆文から聞いたんですか?」
「いいえ、悠斗くんに教えてもらったの」
「え……」
予想もしていなかった名前が上がって、侑奈は目をぱちくりさせた。だが、次の瞬間には得心がいって大仰な溜息をつく。
隆文のことだ。大方、嬉しすぎて黙っていられず親友である兄に報告したのだろう。
(ばかふみ……)
もう兄に何も話すなと隆文に釘を刺して置かねばと、侑奈は心の中で舌打ちをした。