大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「馬鹿じゃないの……。そういうことは使う前に相談して許可を得なさいよ」
「ごもっともだ。これからはそうするよ、飯の邪魔して悪かった」
「はぁ~っ、もう疲れた。私なりに色々考えたのに……隆文の馬鹿」
「ごめん……。呆れられてるついでに聞くけど、これからも玩具使っていい?」

 甘えるような目で見てくる隆文に、ゲンナリした視線を向ける。侑奈は大きな溜息をついて首を横に振った。

「それ、気持ちいいけど……無理矢理気持ちよくさせられている感じがして、好きになれないです。私は道具なんて使わないで、直接隆文と触れ合うほうが好きだし気持ちいいです」
「そっか……」

 嬉しいような残念なような複雑な表情をしている隆文に、侑奈も複雑な心持ちになった。心なしか胸が痛む。

(言い過ぎたかしら……)

「俺と触れ合うのを好きだって言ってくれて、すごく嬉しいけど……好きになれないならもう使えないな……。これは捨てるよ」
「……っ。うう、分かりました。分かったから、そんな顔をしないで!」
「え……」
「買ったばかりで捨てるのはもったいないですし……もし今後私が間違ったことをして隆文を傷つけてしまったときには……使っていいですよ。だからそのときのために残しておいてください」

 ショボンとした隆文がなんだか可哀想になって、つい妥協案を出してしまう。やはり隆文の言うとおり、侑奈は彼に甘くなったのだと思う。

「それってお仕置きに使っていいってこと?」
「……はい。で、でも、私が何かやらかしたときだけですよ」
「分かってる。むしろお仕置きで使えるとか最高だ。ありがとう、侑奈」

 少年のような屈託のない顔で笑う隆文に苦々しく笑う。

(まあ……隆文を傷つけるような失敗をやらかすことなんてないから別に置いておくくらいいいわよね)

 そんな日は絶対に来ない。
 侑奈はそう考えながら、空気を変えるためにパチンと手を叩いた。

「さあ、早く食べてしまいましょう」
「ああ。そうだな」
「早く食べて……仲直りのエッチをしましょう。次は優しくしてください」

 侑奈が頬を染めて、ややぶっきらぼうにそう言うと、隆文がごくりと喉を鳴らして「ああ」と頷いた。
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