大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
(嗚呼。侑奈の制服姿、めちゃくちゃ可愛かったな)

 隆文は侑奈の体を清めながら、女装した褒美にと――高校時代の制服を着てくれた侑奈を思い出して一気に口元が緩み締まりのない顔になった。

 もう脱がしてしまい床に散らばっている彼女の制服を拾い上げ感動を噛み締める。

 昔、遠目に見ていたときも思ったが、夏服を着た侑奈はめちゃくちゃ可愛い。丸襟ブラウスに紺色のジャンパースカート。胸元のさりげない校章。左側で片結びしてある共布のベルト。組み合わせが絶妙で、キュートアグレッションを呼び起こしてしまうくらい可愛さと優雅さが突出している。

 本当は当時面と向かって、何度も可愛いと伝えて褒め倒したかった。七、八年の時を経て叶うのは嬉しくはあるが、同時に複雑でもある。

(過去を取り戻せているようで嬉しいけど、やっぱり仲良く同じ時間を過ごしたかったよな……)

 悔やんでも悔やみきれない。
 自分さえ間違えなければ、ずっと側で侑奈の成長を見られたのにと、こういうときにどうしても後悔してしまう。


 隆文は侑奈の可愛い寝顔をスマートフォンのカメラでパシャリと撮影した。悠斗から侑奈に内緒で彼女の写真をよくもらっているが、やはり自分で撮れる感動には変えられない。

(はぁ、可愛い……)

 やっと面と向かって「その制服、よく似合っていてすごく可愛い」と伝えられ、高校の制服を着た侑奈を抱けたのだ。過去を後悔して感傷に浸るなど愚かなことだと、隆文は侑奈の制服を綺麗にたたんで棚の上に置いた。

(こんなにも甘美な褒美をもらえるなら、女装姿()をさらして、侑奈に好き放題写真を撮られるくらい何でもないな)

 隆文は同じように床に散らばっている自身が着たセーラー服を見て苦笑した。祖母のせいでせっかくの長いスカートが短くなってしまったが、ミニスカートのおかげか着たままセックスしても邪魔にならなかったので、何が功を奏するか分からない。まあ侑奈には「笑っちゃって集中できないから脱いで!」と言われたが……
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