大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜

予想しない再会

「ん~、美味しい!!」

 あのあと玲子から許しをもらった侑奈たちは鮨屋に来ていた。

 望みどおり二人きりで食事に来られただけじゃなく大好きなサーモンの鮨が食べられて、侑奈は感嘆の声を漏らした。すると、隆文が満足そうに笑う。

「それは良かった。ここは知り合いがやっている店なんだ。サーモン以外も美味いから、もっと色々オーダーするといい」
「ありがとう」

(お友達のお店なんだ……)

 静かで落ち着けるとても良いお店だ。隆文は迷わずカウンターではなく個室を選んでいたが、友人の店ならカウンターでも良かったのにと侑奈はお酒を飲んでいる隆文をジッと見た。


「隆文、お酒を飲んでもいいんですか? 車なのに……」
「帰りに運転手の坂本さんが迎えに来てくれるから大丈夫だよ。それよりこれも食べろ。海老好きだろ」
「はい」

 自然な手つきで口元に差し出されて、あーんと口を開ける。食べさせてもらうことに少し抵抗を感じたが口に入れた瞬間、海老の甘味と旨味が口の中に広がって、あっという間に照れがどこかに飛んでいく。ほっぺたが落っこちそうとはまさにこのことだ。

「めちゃくちゃ美味しいです。どれを食べてもすごく美味しくて、感動」
「どれも……って、まだサーモンと海老しか食べてないだろ」

 侑奈が至福の表情を浮かべると、隆文がクスクスと笑う。サーモンの鮨とひと口に言ってもスタンダードなものから炙りや創作寿司など色々と種類がある。侑奈がそう言おうとした途端、隆文にペロリと下唇を舐められた。
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