大嫌いな幼馴染と婚約!?〜断ろうと思っていたのに彼の謝罪と溺愛に搦めとられました〜
「侑奈? お知り合いか?」
「はい……。こちら私が通っていた大学の篠原教授です。教授には色々教えていただいて、とてもお世話になったんです」
「K大の篠原教授でしたか。はじめまして、私は玲瓏薬品株式会社で代表取締役を務めている四條隆文と申します。どうぞよろしくお願いします」
完璧なビジネススマイルを浮かべた隆文が右手を差し出す。教授はその手を握りながら目をスッと細めた。
「ということは君が噂の四條製薬グループの御曹司ですか……。お噂はかねがね……」
和やかな隆文とは違いピリついた空気を出す教授に、侑奈は内心ハラハラした。きっとこの敵意は隆文にも伝わっているはずだ。
教授は笑っているようで笑っていない笑顔を貼りつけたまま、侑奈に向き直った。
「そういえば、今年の春からとある企業の支援を受けて新薬の開発をしているんだ」
「え……それはおめでとうございます……」
「君さえ良ければ、いつでも連絡しておいで。四條製薬グループに入るだけが道ではないよ」
そう言って侑奈に名刺を渡して去っていく教授に侑奈はポカンと口を開けたまま佇んだ。でもすぐにハッとして隆文に頭を下げる。
「ごめんなさい……私のせいで」
「どうして侑奈が謝るんだ。侑奈が俺を嫌っていたのを知っている人間ならあの態度も頷ける。これも以前の俺の行いのせいだから侑奈は気にしなくていい」
「でもあんなの子供のときの話です。それに私たちの問題なのに……あのような態度は失礼です」
(せっかくの楽しいデートだったのに……)
尊敬する恩師ではあるが、隆文に嫌な思いをさせるならもう会いたくない。
しょんぼりと肩を落とす侑奈の背中をさすってくれる隆文に、侑奈は彼の両手をぎゅっと握り込んだ。
「なんか悔しいです。隆文! パーティーでは噂を払拭できるくらい仲睦まじいところを見せましょうね」
「ああ、そうしよう。でもその前に鮨を食おうか。先ほど侑奈がオーダーしたサーモンが来ていたぞ」
「はい!」
元気よく返事をして、隆文と一緒に席へ戻る。その後は嫌なことは忘れて、大好きな鮨を堪能した。
「はい……。こちら私が通っていた大学の篠原教授です。教授には色々教えていただいて、とてもお世話になったんです」
「K大の篠原教授でしたか。はじめまして、私は玲瓏薬品株式会社で代表取締役を務めている四條隆文と申します。どうぞよろしくお願いします」
完璧なビジネススマイルを浮かべた隆文が右手を差し出す。教授はその手を握りながら目をスッと細めた。
「ということは君が噂の四條製薬グループの御曹司ですか……。お噂はかねがね……」
和やかな隆文とは違いピリついた空気を出す教授に、侑奈は内心ハラハラした。きっとこの敵意は隆文にも伝わっているはずだ。
教授は笑っているようで笑っていない笑顔を貼りつけたまま、侑奈に向き直った。
「そういえば、今年の春からとある企業の支援を受けて新薬の開発をしているんだ」
「え……それはおめでとうございます……」
「君さえ良ければ、いつでも連絡しておいで。四條製薬グループに入るだけが道ではないよ」
そう言って侑奈に名刺を渡して去っていく教授に侑奈はポカンと口を開けたまま佇んだ。でもすぐにハッとして隆文に頭を下げる。
「ごめんなさい……私のせいで」
「どうして侑奈が謝るんだ。侑奈が俺を嫌っていたのを知っている人間ならあの態度も頷ける。これも以前の俺の行いのせいだから侑奈は気にしなくていい」
「でもあんなの子供のときの話です。それに私たちの問題なのに……あのような態度は失礼です」
(せっかくの楽しいデートだったのに……)
尊敬する恩師ではあるが、隆文に嫌な思いをさせるならもう会いたくない。
しょんぼりと肩を落とす侑奈の背中をさすってくれる隆文に、侑奈は彼の両手をぎゅっと握り込んだ。
「なんか悔しいです。隆文! パーティーでは噂を払拭できるくらい仲睦まじいところを見せましょうね」
「ああ、そうしよう。でもその前に鮨を食おうか。先ほど侑奈がオーダーしたサーモンが来ていたぞ」
「はい!」
元気よく返事をして、隆文と一緒に席へ戻る。その後は嫌なことは忘れて、大好きな鮨を堪能した。