マイ スイート バニィ



「じゃあやっぱり私も、」

「だけどそれは、ある条件をクリアしていなかった場合だけだ」



食い気味に、そう言ったパパ。



「”運命の人”とキスをしたバニィは、魔法から解放されるらしい」



その言葉は、私の中の暗闇に一粒の星を出現させた。



運命の人と、キス……。

パパの話しまるでおとぎ話のような内容だ。

だけどそれで、魔法が解けるなら……。



パパは立ち上がると、私の肩を掴んだ。



「衣舞。”運命の人”を探すんだ」



私を見据える、まっすぐな目。

パパの力強い手から、痛いくらいの愛が伝わってくる。

暗闇の中に現れた希望の星。

それは小さいながらも、ちゃんと光を放っている。



私、ハタチよりもっと、生きられるかもしれない……。



「うん……!」



じんわりと熱いものが込み上げて、視界が霞む。

するとママが、すかさずタオルで涙を拭ってくれた。



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