マイ スイート バニィ


今日から通う"時森学園高等部"は、電車に乗って20分ほどのところにある。

高校に行ったら……会えるのかな。

"ナイト"に──。






ガタン、ゴトン。

電車に揺られながら、窓の外をぼんやりと眺める。

まだ見慣れないその景色に胸が高鳴ると共に、同じくらいの大きさの不安が押し寄せる。



運命の人を見つけられなかったら……どうしよう。

……ううん、後ろ向きな考えばかりしてちゃダメ。

せっかく今日から新しい生活が始まるんだ。

今は楽しいことだけ、考えよう……!






電車を降りると、数メートル先のところに学校が見えた。

改札を抜け、その立派な校舎に向かって歩いていく。

学校に着くと、玄関口に張り出されているクラス分け表を確認。

あっという間に、自分の教室の、今日から過ごす席にたどり着いた。



周りの席、どんな人が座るんだろう。

仲良くなれそうな人だといいなぁ……。

緊張で、少しだけ肩に力が入る。



右隣は、スポーティな女の子。

左隣は、話しやすそうな男の子。

前の席は、髪の綺麗な女の子。

後ろの席は……まだ、空席だ。



──ガタンッ

しばらくして、背後で椅子の音がした。

それは入学式の説明が始まる直前のことだった。



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