マイ スイート バニィ 〜男たちは、子うさぎが欲しい〜
02 : 狼男
入学式の翌日。
朝から周りが騒がしい。
「あの子が宇崎さんじゃない?」
「ほんとだ!圧倒的すぎてすぐわかるね……」
「やばい可愛すぎるっ」
「え、お人形さん……?」
明らかに私は注目されていた。
周りからの視線が痛い。
そりゃあ悪口言われるよりいいけれど……教室まで歩くだけで、疲れ果ててしまった。
ちゃんとチョーカーしてるのに……。
どさっと自分の席にうなだれ、大きなため息を吐くと、上から声が落ちてきた。
「かわいすぎるのも大変だね」
同時にふわりと鼻腔をくすぐる柑橘系の香り。
「……栞ちゃん!」
私はガバッと身体を起こす。