マイ スイート バニィ 〜男たちは、子うさぎが欲しい〜
「おはよ、衣舞ちゃん」
「おはよ〜」
そうだ、栞ちゃん隣の席なんだった。
嬉しい〜!
頭を撫でてくれる栞ちゃんに、私は抱きついた。
すると、栞ちゃんの後ろの席に大きな人影が座ったのが視界に入る。
──辰彦くんだ。
「おはよ、辰彦くん」
「……おはよう」
相変わらず、仏頂面だなぁ。
なんか常に怒ってるみたい。
無表情を貫く辰彦くんの、切れ長の目。
ナイフのようなそれが、私の首元に向かって刃を突き立てる。
……チョーカーちゃんと付けてるか、しっかりチェックしたな、今。
ほんと厳しい人。
辰彦くんが近くにいる限り、気抜けないわ……。
なんとなく背筋を伸ばした時──ガタッと、後ろの席が音を立てた。
……来たな、大賀飛向。
昨日の朝、みんながいる中で「なんかお前……臭い」なんて言われてほんっとーに腹が立ったけど……
襲われかけたところを助けてもらったから、お礼を言わないと。