マイ スイート バニィ
「よかった、目を覚まして……」
「私、」
「大丈夫、何も心配ないわ」
ゆっくりと体を起こすと、ママが背中を優しくさすってくれた。
だけど、大丈夫って、心配ないって……どういうこと?
カーテンの隙間から見える空は、真っ暗だ。
夜まで起きられなかったのに、私、大丈夫なの?
「衣舞、ここのところ……体調の悪い日が多かったわよね」
「……うん」
「理由があるの」
涙を拭いてまっすぐにこちらを見つめるママに、私はゴクリと唾を飲んだ。
なんだか不穏な予感がする。
「いい?今から言うことは、決して悪いことじゃないからね」
そんな前振り……逆に怖いよ。
絶対、いい話しじゃない。
怖い、怖いよ、聞きたくない……!
「……うん」
本当は耳を塞ぎたいけれど、そんなことをしても無駄だ。
ママのまっすぐな目を見て悟った私は、小さくうなずいた。
するとママは、私の手を握った。