マイ スイート バニィ
たしかに私、人よりちょっと色素薄いし、肌は白くて眼の色はほんのり赤っぽい。
それに人参には目がないけれど……
バニィの末裔だなんて、信じられるはずがない。
だってバニィは、都市伝説でしょ?
「衣舞の目って、少し赤いわよね?」
「うん」
「今は完全にバニィの目になってる。瞳の真ん中に赤いハートが浮かんでるわ」
「えっ」
瞳にハート!?
ママに言われて慌ててベッドを出ると、ドレッサーの鏡を見た。
目を見開くと、そこにははっきりとハートが刻まれている。
「な、なにこれ……!」
瞬きをしても、消えない。
目を擦っても、消えない。
何度繰り返しても、鏡の中のハートの瞳と視線が合う。
……ちょっと、さすがに頭が追い付かない。
身体の力が抜け、ドレッサーにうなだれる。