マイ スイート バニィ
もし、仮に、万が一。
私がバニィの末裔……だったとしよう。
だけどそれって、最近体調が悪かったこととか、今日倒れたことと、関係なくない?
私の心の声が聞こえたかのようなタイミングで、ママが話し始めた。
「バニィはね、15歳の誕生日に魔法を掛けられたの」
「……うん」
「だからもしかしてって思っていたけど……あなたが誕生日を迎えて、15歳になった今日。やっぱり発動してしまったんだわ。”魅了の力”を」
「魅了の、力……?」
ふとスマホの画面をタップすると、そこに表示されている時間は0時半。
日付は12月24日。
……ほんとだ、日付変わってる。
クリスマスイブ。私の誕生日。
「……お誕生日おめでとう、衣舞」
「うん……」
さすがに祝福されても喜べるような気分じゃない。
もはや誕生日なんてどうでもいい。
頭の中は、バニィのことでいっぱいだ。