👢 ブーツに恋して 👢  ~とても不思議な恋の物語~【新編集版】
エピローグ
       👢 6 👢

 休日の朝、ご主人はいつもと違うバス停に立っていた。
 わたしにとって、この冬初めての外出だった。
 そのせいで、ドキドキが止まらなかったが、バスがなかなか来ないので、どこに行くのかさっぱりわからなかった。
 仕方がないので、足持ち無沙汰に辺りを見回していると、エリザベスの姿が見えた。
 飼い主を引っ張るように急いでわたしの方に向かってくる。
 
「どこへ行くの?」

 飼い主は止めようとしたが、エリザベスは構わずわたしの方へ急いだ。
 そして、ハアハアと荒い息をしながら近寄ってきて、至近距離で止まった。
 それから、躊躇いがちに鼻を寄せてきたと思ったら、クゥ~ンと鳴いて、上目がちにわたしを見た。
 何かを訴えるような眼差しだった。
 どうしたのかと思っていると、恐る恐るという感じで声をかけてきた。


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