【Quintet】
ここで自分の気持ちを言わずにいつ言う? せっかく沙羅が背中を押してくれたんだ。
『もし許されるのなら音楽活動を続けたいです。会社を継がないといけないのはわかってる。だけどバンドを辞めたくない。経営の勉強もちゃんとやります。だからお願いします。音楽活動を続けさせてください』
たとえ兄の代わりの跡継ぎという名目でも必要とされることが嬉しかった。大好きな仲間と追いかける音楽の夢を諦めて、父親の言いなりになる人生は嫌だ。
でも父が必要としてくれたから、そんな未来の道を完全に拒否できなかった。
『跡継ぎがお前なのは変わらない。これは決定事項だ』
『はい』
『……こちらのお嬢さんには負けたよ。音楽活動と並行して経営の勉強をするのであればこれからも好きなようにしなさい』
『じゃあ……』
『お前を次期社長として重役に発表するセレモニーは29日に予定通り行うが、バンドは辞めなくていい。続けたいなら続けなさい。但し、必ず結果を出せ。お前がこだわった音楽の道で結果を出して私に見せてみろ。いいな?』
結果を出す。上等だ。許される限りやれるところまでやろう。大好きな仲間と一緒に。
「UN-SWAYED……続けられるの?」
『みたいだな。俺はこれからもUN-SWAYEDのSEIYAでいられる。沙羅のおかげだよ。ありがとう』
涙腺が崩壊した沙羅が星夜に抱き付いた。
『もし許されるのなら音楽活動を続けたいです。会社を継がないといけないのはわかってる。だけどバンドを辞めたくない。経営の勉強もちゃんとやります。だからお願いします。音楽活動を続けさせてください』
たとえ兄の代わりの跡継ぎという名目でも必要とされることが嬉しかった。大好きな仲間と追いかける音楽の夢を諦めて、父親の言いなりになる人生は嫌だ。
でも父が必要としてくれたから、そんな未来の道を完全に拒否できなかった。
『跡継ぎがお前なのは変わらない。これは決定事項だ』
『はい』
『……こちらのお嬢さんには負けたよ。音楽活動と並行して経営の勉強をするのであればこれからも好きなようにしなさい』
『じゃあ……』
『お前を次期社長として重役に発表するセレモニーは29日に予定通り行うが、バンドは辞めなくていい。続けたいなら続けなさい。但し、必ず結果を出せ。お前がこだわった音楽の道で結果を出して私に見せてみろ。いいな?』
結果を出す。上等だ。許される限りやれるところまでやろう。大好きな仲間と一緒に。
「UN-SWAYED……続けられるの?」
『みたいだな。俺はこれからもUN-SWAYEDのSEIYAでいられる。沙羅のおかげだよ。ありがとう』
涙腺が崩壊した沙羅が星夜に抱き付いた。