【Quintet】
ベッドに入って目を閉じても眠れないのは、心に引っ掛かりがあるから。考えないようにしていても考えてしまうのは帰宅が遅い悠真のこと。
暗い部屋で眩しく光る携帯電話の画面に表示された数字は23:38。あと少しで日付が変わる。
眠れない時はどれだけベッドに寝そべっていても眠れない。無理やり眠るのを諦めた沙羅は部屋を出た。
先に帰宅した三人もすでに二階に上がっている。真っ暗なリビングの灯りをつけ、キッチンに向かった。
ティーポットに入れたのはカモミールティーのティーバッグ。カモミールの茶葉は星夜が買ってきてくれたものだ。
(悠真の帰りが遅い日はこれまで何度もあったのに……)
どうして今夜は心がざわざわするの?
悠真は仕事をしているだけだ。仕事相手は男ばかりではない。
(自分が子ども過ぎて嫌になる……)
キャンプの時、海斗が美月に優しく笑いかけているのを見てモヤッとした。
先月に花音が訪ねてきた時、沙羅の知らない女性の名前を平然と呼び捨てで呼ぶ悠真にモヤッとした。
夏祭りの時、周囲の女性の視線が星夜に向いていてモヤッとした。
子どもっぽい独占欲に自分でも呆れる。
暗い部屋で眩しく光る携帯電話の画面に表示された数字は23:38。あと少しで日付が変わる。
眠れない時はどれだけベッドに寝そべっていても眠れない。無理やり眠るのを諦めた沙羅は部屋を出た。
先に帰宅した三人もすでに二階に上がっている。真っ暗なリビングの灯りをつけ、キッチンに向かった。
ティーポットに入れたのはカモミールティーのティーバッグ。カモミールの茶葉は星夜が買ってきてくれたものだ。
(悠真の帰りが遅い日はこれまで何度もあったのに……)
どうして今夜は心がざわざわするの?
悠真は仕事をしているだけだ。仕事相手は男ばかりではない。
(自分が子ども過ぎて嫌になる……)
キャンプの時、海斗が美月に優しく笑いかけているのを見てモヤッとした。
先月に花音が訪ねてきた時、沙羅の知らない女性の名前を平然と呼び捨てで呼ぶ悠真にモヤッとした。
夏祭りの時、周囲の女性の視線が星夜に向いていてモヤッとした。
子どもっぽい独占欲に自分でも呆れる。