【Quintet】
午前9時に港区の音楽スタジオに集合したUN-SWAYEDの四人。12月のライブに向けてセットリストの曲目を話し合う中、星夜と晴は高園兄弟に流れる不穏な空気を感じ取っていた。
やがて訪れた午後の休憩時間。マネージャーの不破が買ってきたハンバーガーの袋を抱えた晴はラウンジのソファーに座った。
晴と背中合わせのソファーでは悠真が仮眠を取っている。
『誰かさんのせいでスタジオの空気が史上サイアクゥー』
『悪い』
『ほぉ? リーダーが素直に謝るってことは空気悪くしてる原因が自分だとわかってるんだな。 ベーコンチーズとエビカツとテリヤキ、どれがいい?』
『……エビカツ』
エビカツバーガーの包みと缶コーヒーが晴から悠真の手に渡る。
背中合わせに違う方向を見つめる二人は、同時にハンバーガーの包みを開いた。晴はベーコンチーズバーガーだ。
『海斗が超ピリッピリしてるのも悠真のせい? 不破っちが今日の海斗は怖いー、ってビビってた』
『俺のせいだろうな』
『高園兄弟が揉める理由は沙羅しかねぇよな。沙羅と何があった?』
咀嚼音とコーヒーをすする音が続いた後に聞こえてきたのは、彼らしくない弱々しい呟きだった。
『晴はさ、由芽と両想いだったって知った時はどうだった? 戸惑わなかった?』
『昔のこと過ぎてぼんやりだけど、戸惑いはあったかも。まさかとは思った』
『だよな。俺もまさかと思ったよ』
今のやりとりだけで晴が状況を把握するには充分だった。
やがて訪れた午後の休憩時間。マネージャーの不破が買ってきたハンバーガーの袋を抱えた晴はラウンジのソファーに座った。
晴と背中合わせのソファーでは悠真が仮眠を取っている。
『誰かさんのせいでスタジオの空気が史上サイアクゥー』
『悪い』
『ほぉ? リーダーが素直に謝るってことは空気悪くしてる原因が自分だとわかってるんだな。 ベーコンチーズとエビカツとテリヤキ、どれがいい?』
『……エビカツ』
エビカツバーガーの包みと缶コーヒーが晴から悠真の手に渡る。
背中合わせに違う方向を見つめる二人は、同時にハンバーガーの包みを開いた。晴はベーコンチーズバーガーだ。
『海斗が超ピリッピリしてるのも悠真のせい? 不破っちが今日の海斗は怖いー、ってビビってた』
『俺のせいだろうな』
『高園兄弟が揉める理由は沙羅しかねぇよな。沙羅と何があった?』
咀嚼音とコーヒーをすする音が続いた後に聞こえてきたのは、彼らしくない弱々しい呟きだった。
『晴はさ、由芽と両想いだったって知った時はどうだった? 戸惑わなかった?』
『昔のこと過ぎてぼんやりだけど、戸惑いはあったかも。まさかとは思った』
『だよな。俺もまさかと思ったよ』
今のやりとりだけで晴が状況を把握するには充分だった。