【Quintet】
 しかし美月からは隼人とのキスシーンのプリクラは見せてもらったことがない。男の方が友達に見せたがるものなのか?

「悠真はこのプリクラ誰にも見せちゃダメだよ?」
『ダメ? これを海斗と星夜の前でわざと落としてやろうかと思ったのに』
「悪魔だ……」
『俺は優しいドSなんだろ?』

 プリクラの時と同じく悠真に唇を奪われた。リップ音を響かせて名残惜しく離れた唇は再び繋がり、舌を絡ませてまた離れた。

『海斗達はまだ帰って来ないよな?』
「晴は花音さんとデートで、海斗と星夜は友達とボーリングに行ってお夕御飯も食べて来るって言ってた」
『少なく見積もっても、あと2時間は家に俺達だけか。こっちおいで』

 導かれて悠真の膝の上に沙羅は跨がった。対面したこの姿勢からのキスは沙羅が悠真を見下ろす形になり、いつもは見上げている彼の顔が下にあるのが新鮮だった。

沙羅の唇から首筋へ悠真の唇が移動する。胸元にも彼の手が這い、いよいよその時が来たことを沙羅に教えた。

「シャワーしてからの方が……」
『俺は気にならないよ。今のままの沙羅がいい。もう限界。沙羅を抱きたい』

 その言葉に子宮の奥が鳴いた。真剣な眼差しでこちらを見上げる悠真の唇に沙羅は恐る恐る口付けする。沙羅からのキスが了承の合図だった。
< 344 / 433 >

この作品をシェア

pagetop