【Quintet】
 ベッドに崩れ落ちる男と女。初めて目にする悠真の裸体の素肌に全身で触れ、彼の胸の突起を、彼がしてくれた行為を真似てキスをすると悠真の吐息が一段と甘くなった。

『ごめんね。今日はまだ休ませてあげられない。もう少し頑張れる?』

 何度も絶頂を迎えて意識が朦朧とする沙羅は頷くだけで精一杯だった。

『沙羅……』

心地いい彼の声で名前を囁かれた次の瞬間、ぼんやりとしていた沙羅の意識は強制的に覚醒した。
穴の入り口が押し広げられる感覚に彼女は身悶え、甘い吐息は苦痛の叫びに変わる。

「痛っ……」
『身体の力を抜いて……。大丈夫。俺に全部預けて』

沙羅の痛みを和らげようと悠真は彼女の額や目元に口付けを落とす。痛みの衝撃で沙羅の目尻には涙が溜まり、彼は流れる涙をそっと舐めた。

 ──それからは沙羅も悠真も無我夢中だった。

 軋むベッドと擦れるシーツ、沙羅と悠真から漏れる甘ったるい音、すべての音が一体となった熱情のアンサンブル。

沙羅の上で揺れている悠真の額から汗が滴り落ちた。首筋に落ちた汗は沙羅の汗と交ざり合って、彼女の肌を一段と湿らせる。
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