【Quintet】
最終楽章 クインテット
10月24日(Sat)
月夜の女子会のお供はマロンロールケーキとハーブティー。今夜はかねてから約束していた美月の家でお泊まり会だ。
美月のベッドと並べて敷かれた客用布団に沙羅はうつ伏せに身体を沈めた。嗅ぎ慣れない他人の家のシーツの匂いがする。
普段は居心地が悪いと感じる他所の家の匂いが、今は心地よかった。
「最近は家にいると疲れちゃうんだ」
「なんで? 同じ家に彼氏がいるって幸せだよ」
「そうなんだけど、悠真を変に意識しちゃうの。喉仏や胸板が目に入ってくるようになって、ああ、男の人なんだなぁって……」
食事をしていても部屋で共に寛いでいる時も、何気ない悠真の仕草にエロスを感じてしまう。あの唇でキスをされて、あの指で触れられて、あの胸板に抱かれた。
同じ家に恋人がいる。これまで男に免疫がなかった沙羅には刺激の強すぎる日々だ。
「美月ちゃんは隼人くんに触れられたいって思う時ってどんな時?」
「どんな時って……それは隼人とエッチしたいなぁって思う時ってこと?」
「いやっ! えっと……うん……。そう……かな……」
慌てて起き上がった沙羅の顔は真っ赤だった。友達にとんでもない質問をしてしまった羞恥に堪えられず、掛け布団を引き寄せて顔を覆う。
月夜の女子会のお供はマロンロールケーキとハーブティー。今夜はかねてから約束していた美月の家でお泊まり会だ。
美月のベッドと並べて敷かれた客用布団に沙羅はうつ伏せに身体を沈めた。嗅ぎ慣れない他人の家のシーツの匂いがする。
普段は居心地が悪いと感じる他所の家の匂いが、今は心地よかった。
「最近は家にいると疲れちゃうんだ」
「なんで? 同じ家に彼氏がいるって幸せだよ」
「そうなんだけど、悠真を変に意識しちゃうの。喉仏や胸板が目に入ってくるようになって、ああ、男の人なんだなぁって……」
食事をしていても部屋で共に寛いでいる時も、何気ない悠真の仕草にエロスを感じてしまう。あの唇でキスをされて、あの指で触れられて、あの胸板に抱かれた。
同じ家に恋人がいる。これまで男に免疫がなかった沙羅には刺激の強すぎる日々だ。
「美月ちゃんは隼人くんに触れられたいって思う時ってどんな時?」
「どんな時って……それは隼人とエッチしたいなぁって思う時ってこと?」
「いやっ! えっと……うん……。そう……かな……」
慌てて起き上がった沙羅の顔は真っ赤だった。友達にとんでもない質問をしてしまった羞恥に堪えられず、掛け布団を引き寄せて顔を覆う。