【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

11 冷酷騎士の片鱗

私は呆れ果ててレイゼン様を見る。

本当に敵を虐殺するような冷酷騎士なのかしら?

「何を考えているんだ?
キャメラ?」

「いえ、あまり甘やかされるのに慣れておりませんので…」

私は本心をもちろん隠す。

「そうか?
じゃあ、これから慣れていけばよい。」

レイゼン様はニッと笑って言った。
その笑顔は妖艶ないつもの物とは少し違い、どちらかというと少年のようないたずらっぽさを残して居た。

「なぜなのですか?」

私は言った。

「なぜ?とは?
なぜ、甘やかすか?という事か?」

レイゼン様は分かっていない。

「いいえ。
なぜ、私なのですか?
私は自分で言いますが、上の下程度だと思います。
レイゼン様ならば、上の上、いえ特上の女性と結婚する事も出来るはずです。」

「またその話か…
好きだな、君も…」

レイゼン様はプイと顔を窓に向けた。

「ですが、疑問のまま結婚は出来ませんわ!」

私は強く言ってみる。

「おいおい、今頃になって婚約破棄か?
俺がその気になれば、君らなど、消し去る事も出来るのだぞ?」

レイゼン様はやっと冷酷騎士たる片鱗を見せた。

「私は…
死ぬのは怖くありませんわ…
怖いのは、この心が死に自分に嘘を重ねるようになった、その時です…」

私は言った。

「ふっ…はっはっはっ!」

レイゼン様はおかしそうに笑った。

「そう言う肝の座った所が気に入った、ではダメなのか?」

「うーん、保留にいたします…」

私は答えた。
そして、やっと素晴らしく大きく豪華な城が見えて来始めた。
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