【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

15 過剰で過保護

次の日、目を覚ますと、実家とは違う6灯のハート型のシャンデリアが目に入った。

このお姫様チックな部屋は、そう、レイゼン様の城の中である。

私は起き上がると、窓に進みカーテンを開けた。
そこには、はるか下に街王都が広がっており、遠くに薄くエメラルドの海までが見えた。
私は窓を開けて風を浴びる。

なるほど、絶景とはまさに…

「朝食はお部屋で風の中でいただきたいのだけれど…?」

私は侍女達に言う。

「ですが…
ご主人様が朝はキャメラ様のお顔を拝見したいと…」

侍女は言いにくそうに言う。

今から毎日顔を合わせるのに、朝、顔を見ないのがそんなに問題なのだろうか?

そうは思うが、侍女達を困らせる訳にはいかない。

私はネグリジェにガウンを羽織ると、朝食のダイニングホールへ向かった。

「おはよう、キャメラ。」

「おはよう御座います、レイゼン様。」

私は無機質にそう言った。

「そのネグリジェ…
少し胸元が開きすぎているな…」

レイゼン様は美しい眉間に皺を寄せ、そう言った。

「え?
そうですか???」

「男の使用人はこの部屋に入れないでくれ。」

レイゼン様は侍女達にそう命じた。

ちょっと大袈裟なのでは無いか!?
少し谷間が見えている程度だぞ!?

「着替えはハイネックにリボンの付いたワンピースにしてくれないか?」

レイゼン様はおっしゃる。

「分かりましたわ。
でも、誰も私の胸元など見てないと思いますけれど…」

私はため息混じりにそう答えた。

「世界中が君を見ているさ。」

過剰で過保護なレイゼン様に呆れつつ、私は朝食を食べた。
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