【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

16 最初のご友人

ハイネックリボンのワンピースに着替えると、最初のご友人がお見えになったようだ。

えーと…
あの馬車の紋様は、確かゼクス=マフィーズ様の…
私は窓から外の馬車を眺めてハッとする。

ゼクス様と言えば、数年前には私にちょっかいをかけてきたプレイボーイの美青年だ。
レイゼン様と並べば、それはもう絵になると言うか…
美神2人を描いたらこうなる、という見本になるに違いない。

しかし、ゼクス様とレイゼン様がご友人…???

そんな話は社交界では聞いた事が無いが…?

私は急いでリボンをキュッと結び、城のエントランスに降りていく。

「やぁ、レイゼン。
数百年ぶりかな?」

そう冗談を言うゼクス様に、レイゼン様も冗談で応える。

「いや、ほんの二百年ぶりだろう。」

そんなやりとりを微笑ましく見ながら、ゼクス様は私にチラリと目をやると、儀礼的な挨拶をした。

「相変わらず、お美しい。
レイゼンの妻となられて、一層美貌にも磨きがかかるだろう。」

ゼクス様は私の手を取りキスの真似をする。

「ありがとうございます…」

私の事は忘れてしまったのだろうか…?

一時は熱心に口説いていたと言うのに…

まぁ、遊び人で有名なゼクス様など、そんなものよね。

私たちは応接室でお茶を飲みながら、話をした。
主にゼクス様がお話して、私とレイゼン様はそれを面白く聞いていた。

1時間ほどして。

「キャメラ、ゼクスと少し込み入った話がある。」

と、レイゼン様に言われて、私は席を外した。
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