【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

22 寂しい思い

バルド様が帰られ、私はレイゼン様と共に3時のケーキを食べ、お茶を飲んだ。
たわいもない話をして、やっとレイゼン様は私に構ってくれた。

「キャメラ、君には少し寂しい思いをさせたな。」

レイゼン様が見透かしたようにおっしゃる。

「さ、さ、寂しいなど思ってませんもの！」

私は強情をはった。

確かに、レイゼン様は、ゼクス様、ローナ様、バルド様と内密な話ばかりして、私は壁に向かって話すのが上手くなってしまいそうだった。
それに、どんな話をしているのか、見当もつかない。

まるで、蚊帳の外だ。

「そうか？」

レイゼン様は笑って言った。
相変わらずケーキにはほとんど手をつけて居なかった。
私がじっとレイゼン様のケーキを見ていると…

「欲しいならば、あげよう。
まだ、口を付けていないから…」

「い、いえ！
違いますわ！
レイゼン様は少食と言っても、食べなさすぎではありませんか？
ケーキも一口も…
それではお身体に悪いですし…

何かお好きな食べ物はないのですか！？」

私は聞いた。

「そうだね、ローストビーフ、ステーキのレア、馬の生肉…かな？」

レイゼン様は答えた。
その頃のこの世界では、馬の生肉を食べるという習慣は一部の民族にしか広まって居なかった。

「生がお好きなのですか？」

「そうだな。
生に近いほど、良い。」

レイゼン様はお茶を僅かに飲み答えた。

少しだけ、まるで獣のような好みだと思ってしまった。
だけど、この美しい人が、まさか獣のはずは無く…

「では、今日はレイゼン様のお好きなものを揃えたいですわ。」

「君が馬を解体して、生肉を切り取るのかい？」

レイゼン様がおかしそうに笑いながら尋ねる。