【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

24 嫉妬

レイゼン様の顔色がみるみる変わり、薄紫の瞳は濃い紫に変化した。
この世界では魔力を上げる時、髪や瞳の色などが変化するのだ。

私は、しかし、レイゼン様が何を怒ってらっしゃるのか分からない。

「ほぉ…
キルラはどんな風にお前を抱きしめたんだ…?
その真っ白な背中に手を回して、強く身体を合わせて…キスでもされたか!?」

レイゼン様の激しい怒りが伝わり、大気が震えるようだ。

こ、こ、怖い…!

「わ、わ、私…っ…」

私の涙の溜まった瞳を見て、レイゼン様の怒気は少し和らいだ。

「殺して…やる…
キル…ラ…

君のその可憐な唇が他の男を受け入れるなど…
俺には我慢ならない…」

レイゼン様はほんの少しだけ瞳の色を戻したが、まだまだ魔力を解放している。

「レ、レイゼン様…
ごめんなさい…

そんな恐ろしい事を…!?」

「冗談では無い…
戦場では敵や味方など、幾人も見殺し、斬り殺しているのだ、俺は…

キルラなど、戦場に出るだけですぐに弓矢の的となるだろう。
ヤツが君を汚したのならば、死んで当然だ…!」

私はレイゼン様のお怒りに、涙をこぼして謝った。

「お願いです、レイゼン様。
キルラにそのような事は…
彼は良い人でしたわ…

キスなど、しておりませんの!」

嘘も方便というヤツだろう。

「誠か…!?」

レイゼン様は薄紫の瞳に戻り僅かに微笑んだ。

「え、えぇ。
私は汚されてなどいませんわ…
どうか、お鎮まりになってください…」

「悪かった…
キャメラ…」

レイゼン様は私の前に膝まずき、私の手に額をそっと当てた。
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