【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

34 冷や汗

sideレイゼン

目覚めると、腕の中にキャメラは居なかった。
なぜか無性に焦っている自分がいた。

馬鹿な…
キャメラはダイニングホールかリビングルームか、自室にでも居るに違いないのに…

俺はダイニング、リビング、キャメラの部屋を探しに向かった。
しかし、どこにも彼女の姿は無かった。

「あ、旦那様、キャメラ様はお出かけになりましたわ。」

侍女のミアが言った。

「出かけた…？
一体どこに…？」

俺は言う。

「さぁ…
そこまでは…
キャメラ様も行き先を言いませんでしたので…
馬車でお出かけされたようですけど…」

ミアが言う。

俺は何故か冷や汗が出た。

使い魔を操り、彼女の匂いを辿らせ、馬を走らせた。

ゼクス…！
この道はゼクスの城へ向かう道だ！

俺がゼクスの城に着き、使用人達を押し除け、ゼクスの寝室を結界を解き、蹴り飛ばし開けた。

そこには…
寝ているキャメラに覆い被さるゼクスが居た。

「ゼクス…
貴様、俺を怒らせたいのか…！？」

「やれやれ、もう怒ってるじゃありませんか…
安心して下さい、彼女は眠っているだけですし、何もしていません。」

ゼクスは彼女の身体を宙に浮かせると、俺に返した。

「ゼクス、お前のキャメラ…いや、フィオーネアへの気持ちは知っている…
お前は大切な友人だ…
だが、キャメラは譲れない…

二度と彼女に近づくな。
俺はお前を斬り殺したくはない。」

「ふぅ…
分かっています…
レイゼン、あなたの気持ちも、彼女が僕に見向きもしないのも…
もうしないと誓います…」

ゼクスは言った。
俺はゼクスの城を出ると、彼女を乗せて馬車を出すように御者に言った。

「レイ…ゼン…様…
たす…け…て…」

そう寝言に言う彼女をギュッと抱きしめずには居られなかった。