【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

36 化け物の…

その日は一旦ファフィット城に戻り、私は眠れぬ夜を過ごしていた。

もしも、いいえ、ヴァンパイアである事はもう間違いないわ。
では、私と結婚するのが、食料確保の為だったら…?

私はレイゼン様に血を吸われて干からびて死んでしまうかも…?
いいえ!
もう、寝ている間に血を…!

ちょっと待って、落ち着いて。
落ち着くのよ、キャメラ。

明日朝一番で馬車で実家に帰れば良いのよ。
そうすれば、レイゼン様は私を実家から引きずり出す事は出来ないわ。
そして、みんなにヴァンパイアである事を言うのよ!

信じて…もらえるのかしら…?

ヴァンパイアって聖水でもかければ、溶ける?

いえ、それは最後の手段だけれど…

私は結局徹夜になってしまった。

旦那様が化け物のヴァンパイアだったのだ。
眠れるはずがないだろう。

♦︎

翌日、私は馬車の御者を叩き起こし、実家のシャンデリア家に向かった。

「奥様、こちらの方面に何かご用でもあるのですか?」

馬車の御者が寝ぼけた事を聞く。

何を言ってるの!
ここは、私の実家じゃないの!

そして、シャンデリア家に着き、私はベルを鳴らした。

使用人のシュゼが出てきた。
懐かしい…

「あの…
どちら様ですか…?」

え…?

「何言ってるの!
シュゼ!
私よ!
キャメラよ!

お父様は!?
お母様はお元気!?」

「失礼ですが、キャメラ様。
あなたのことを存じ上げておりません。
あまりしつこいと通報しますよ?」

シュゼは言った。

「シュゼ、どうしたの?
お客様かしら?」

後ろからお母様の声がする。

「お母様、キャメラですわ!」

私は後ろに向かって叫んだ。

「誰なの…?
その子…」

え…?
< 35 / 48 >

この作品をシェア

pagetop