【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

41 心の優しい

「キャメラ、君の前世の話をした事があっただろう?

君は孤児院で働いて居て、それは心の優しいヴァンパイアだったんだ。
人の生き血を吸う事を嫌い、君は動物からしか血を吸わなかった。
俺は本能に任せて生き血をすすっていたが…
君に出会い、それをやめたんだ…

ゼクス、バルドも同じく人間の生き血は基本的には吸わない。
君がカルム一族を作ったんだよ。」 

レイゼン様は、穏やかな笑みで、少しの涙を目に溜めてそう言った。

「カルム…一族…?
では、レイゼン様達は…
動物の血しか…?」

「あぁ、まっ、どうしてもって時には病院から輸血用の血を買っているけどな。
はっはっはっ!」

バルド様がおっしゃる。

なるほど…

カルム一族…

ヴァンパイアの中でもまだマシな方かも…?

「えーと、では、カルム一族でないヴァンパイア達も…?」

馬鹿馬鹿しい事を聞いたものだ。
それはヴァンパイアが全員動物の血を吸っていれば、人々がこんなにヴァンパイアを恐れるはずはない。

「俺たちカルム一族以外…
6割ほどのヴァンパイア達をバイオレント一族という…
彼らは、人の生き血を吸うし、気に入った異性を殺したりもする。
まさに、化け物だ…」

レイゼン様は言う。

「でも、動物でも血を吸わなくてはならないならば…
私は…
ヴァンパイアには…」

私は言った。

「もちろん、キャメラ姫の意見を最優先するつもりだよ。
でもね。
バイオレント一族は段々と力を増し、数を増している。
君の力が必要になるかもしれないんだ…」

ゼクス様が言いにくそうにそう言った。
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