【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

45 覚醒

しかし、帰り際ふと、赤い風船の出店に目を留め、眺めていた時、私は何者かに捕えられた。

一瞬の出来事だったのだ。
どうしようも無かった。

♦︎

私は目覚めた時、硬いベッドの上だった。

1人の男が覆い被さり、私の首筋を舐めている。

「嫌っ!!!」

私は抵抗しようとするが、身動きが取れない。

「まぁまぁ、そんなに嫌がるなよ、お嬢さん。
アンタ、フィオーネアの生まれ変わりだな…?
あのムカつく女と同じ匂いがする…」

男は綺麗な顔をしていたが、内の凶暴さを隠し切れていなかった。

「何故…!?
誰なの、あなた!?」

私は泣きそうになりながらも鼻水をすすり、堪えながら聞いた。

「知っているハズだ。
俺はバイオレント一族の者だ。
といっても、バイオレント族は大勢でつるむ事はあまり無いがな。
1人じゃ何も出来ないカルム族とは違うのさ。」

男はそう言って、また私の首筋に顔を埋めた。

その瞬間…!

痛い!
痛い!
痛い!

彼の牙が私の首筋に突き刺さった。

血を…
吸われ…
てる…!?

その時、私自身も血を飲みたいと…
普段とは違う喉の渇きで…
そう思ったのだ…

そ…ん…な…

私もヴァンパイアに…

助けて…
レイゼン…さ…ま…

そのヴァンパイアは私の血を貪り続け、私は出血多量で死にかけていた。

その時、そのバイオレント族のヴァンパイアが血を吐き倒れた。

レイゼン様!!!

レイゼン様がふわりと私を抱き上げる。

「おぉ…
何と言う事だ…
キャメラ…
君まで…」

レイゼン様は少し取り乱してそう言った。

そう、私はヴァンパイアとして覚醒したのだ。
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