【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

46 そのままの君を

それから、私はファフィット城へ戻り、首の傷も不思議な事にすぐに消えた…
が…!

その後から地獄の日々が待っていた。

喉が渇いて仕方ないのだ。
紅茶でもコーヒーでも癒えない、血を求める渇きだ。

「キャメラ…
俺の血で君が少しでも楽になるのなら…」

レイゼン様はそう言うが、私は人の首から血を吸う事など断じて出来なかった。

結局、輸血用の血をワインに溶かしてもらい、それを飲んだ。
ごくごくと浅ましく飲み干し、3杯目でようやく落ち着いた。

「…レキ…セント…?」

レイゼン様の昔の名前が私の頭の中に蘇った。

そうだ、彼はレキセント…
私の愛おしい人…

「フィオーネア…ッ…!
思い出してくれたのか!?」

「分からない…
断片的にしかまだ…」

私は頭を抱え、そう答えた。

「良いんだ…
すまない…
キャメラ、そのままの君を愛してしまったんだから…
君がフィオーネアでもキャメラでも、俺の愛は変わらない…」

レイゼン様はそう言って私に口付けた。
それは、深い深い優しいキスだった。

♦︎

数日経って、血入りのワインにも慣れてきた頃、レイゼン様は1通の手紙を私に差し出した。

「これは…?」

「フィオーネアが死ぬ間際に書き残した物だよ。
フィオーネアの封がしてあるらしく、俺では開けられないのだ。
恐らく生まれ変わりの君に当てた手紙だろう。
君ならば封を開け、読めるはずだ。」

レイゼン様はそうおっしゃった。

私は部屋に戻り、その手紙を開けて読むことにした。

フィオーネアから私への手紙…
一体何が書いてあるのだろうか?
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