【完結】冷酷なハズの騎士様が、何故か私を溺愛してきます…(´・∀・)?

6 熱い視線

「我が姫…
もう俺から離れて行かないでくれ…」

もう…?
何を言ってるの、この人?

平気で敵の首を刎ね、味方さえも見殺しにする。
そんな冷酷非道な騎士だと聞いていた。

だけど、私の前のこの人は…
私に熱い視線を送っているようだ…?

私はその瞳を見ると、また、不思議な気分になるのだ。

私は顔を背け、言った。

「ここにお邪魔したのは、本意ではありませんわ。
そろそろお暇させていただきます。」

そう言って立ちあがろうとする私。
ふらつきながらも、何とか立てた。

「ほぉ…」

レイゼン様が少しの驚きの声を上げた。

「なぜ、驚かれるのですか?
レストランの食事に何かいかがわしい物でも混ぜたのでは?」

私は鋭く睨みつけてそう言った。

「俺がそのようなせこい事をする男に見えるか?
そちらこそ、俺の色香に酔ったのでは?」

嫌味ったらしく言い返して来るレイゼン様にカチンときた。

しかし…

「いや、悪かった。
喧嘩別れはごめんだ。
俺は君を心から好いている。
どうか、それを考えながら帰路に付いてくれ。
馬車はこちらで用意する。」

レイゼン様は私の手を取りキスを空に落とし、完璧に華麗な別れの挨拶をした。

「いえ、私こそ、介抱していただいたのに、少し感情的になりすぎたかと思いますわ…
では、また…」

私はレイゼン様の少し落ち込んだ顔を見て、そう言わずにはいられなかった。

「ありがとう…
キャメラ…」

そう言う彼に冷酷非道な所は見当たらなかった。
だが…
戦場では、"そう"なのだ。
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