恋愛なんてしない
今までの思い出などが溢れ出てきていたけれど、こんなにもあっさりと終わってしまうものなのだと思うと悲しくなった。
この数年間、いったい何だったんだろう。
家に帰っても涙が止まることはなくて、そのまま気づくと朝を迎えていた。
涙で目が腫れている顔に苦笑いをしながらも、仕事に行くための準備をする。
温かいタオルで目を温めるが、あまり腫れは引かず。
とりあえずメイクをして、着替えて会社へ向かう。
いつも通り、すれ違う人に挨拶をして自分のデスクへ向かう。
「おはよう瑞希。」
「おはよう香奈。」
仲良しの香奈<かな>が近くに来る。
「え、どうしたのその顔!?」
「いやちょっと、色々...ね...。」
「もしかして彼絡み?」
香奈には光希との関係を話していたためこっそりと聞いてくる。