恋愛なんてしない

コーヒーを受け取って、再度オフィスに戻る。


営業部の部署まで行き辺りを見渡す。

営業部は外回りに行っている人も多いので人はまばら。


その中で、窓際のデスクに座りパソコンを見つめている相馬先輩を見つけた。

そっと近づき、コーヒーを置く。


驚いた顔をした先輩は顔を上げる。

先輩の綺麗な目と目が合う。


「昨日はありがとうございました。これ、お礼です。」

「え、あぁ。気にしなくてよかったのに。」

「私が気になるので。」

「そう。...大丈夫?」

少しの沈黙の後、先輩が小声で聞く。


「あ、はい。こんなですけど。」

自分の目を指さしながら苦笑いする。

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