恋愛なんてしない

相馬先輩に声を掛けたのは、相馬先輩と同じ営業部の後輩。

先輩は一瞬嫌そうな表情を見せた後

「いや、今日はまだ仕事終わってないから。ごめんね。また今度...。」

「いっつもそうやって行ってくれたことないじゃないですか!」

「本当ごめんね。」

「とか言って先輩本当は彼女いるんじゃないですか?」

「居たら誘いやめてくれるの?」

その言葉に後輩は誘いはやめないですと笑っている。

「じゃあまた誘いますね。お疲れ様です。」


私には気づいていないようで、先輩だけを見て去って行った後輩。

「ハァ~」

そして特大ため息を吐く先輩。


「先輩ってやっぱりモテるんですね。」

「やっぱり?好きじゃない相手にモテてもなあ。」

「え、先輩好きな人いるんですか?」

「んー、どうだろう。気になる相手位なら、まあ。」

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