恋愛なんてしない

「少し家、上がっていきますか?」

「え。いやいや、悪いよ。」

「いいんですよ。いつも色々気にかけてもらっているお礼です。もう少ししたらタクシーも出てくると思うので。」


さすがに、ここまで送ってくれたのにはいそうですかってコンビニで時間を潰してもらうのは申し訳なさすぎる。

「じゃあ。ごめん実は携帯の充電なくなってて。少しだけ充電させてもらえる?」

「もちろん。」


私に真っ暗な画面のスマホを見せた先輩。

家に上がってもらい、ソファに座ってもらう。


「先輩、ビールと水どっちがいいですか?」

「んー、じゃあビール。」

先輩にビールを手渡す。

「ありがとう。」

渡されたビールを飲む先輩。


「先輩、充電ないのにどうやってタクシー呼ぼうとしてたんですか?」

充電器を渡しながら先輩に聞いてみる。

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