恋愛なんてしない

「コンビニで充電器買うかなぁって考えてた。」

「なるほど。」


ビールを飲みながらも顔色一つ変えない先輩を見る。

「先輩ってお酒強いですよね。」

「いや、そんなことないよ。俺めっちゃ酔っぱらうタイプ。」

「え、嘘だ。」

「嘘じゃないよ、酔っぱらっちゃいけないって自分に言い聞かせてるときはあんまり変わらないけど。昔からの友達とかと飲んでたら全然ダメ。」

「意外です。」


ははっと笑っている先輩。

「そういう如月だって今日はそんなに酔ってないじゃん。」

缶チューハイを口に運ぶ私を見て言う。


「あの状況で酔っぱらったらいろんな意味で終わりですよ。」

「確かにそうだよなあ」

そう言いながら会話に華が咲く。


< 59 / 70 >

この作品をシェア

pagetop