恋愛なんてしない
先輩の家に着くと、先輩は自分の部屋着に着替えに行った様子。
本当に来て良かったのかと改めて不安になりつつある私はそわそわして、リビングを行ったり来たり。
「何してんの?」
「あ、いや。やっぱり迷惑だったかなと思って。」
「いいよ別に。それに今日の如月1人にして、また夜1人で泣かれるの嫌だし。」
先輩はそんな風に言ってくれるけど、なぜそこまでしてくれるのだろう。
そもそもそこまで関わりのない人だったはずなのに。
「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
考えていた言葉がそのまま口から出てしまった。
「どうしてって...。んー」
先輩は顎に手を当てて考えた後、ふっと笑って私を見る。
「好きだから?」
「え...。」
予想外の言葉に驚いてフリーズする私。
何も考えられなくなりながらも、次の言葉を探す。
「それって、妹的な、ほっとけない的なやつですか?」