恋愛なんてしない
「私が降りた後タクシーで帰れなくなっちゃって。色々あって家で飲みなおしてそのままいたの。」
「そうなんだ。瑞希さ、相馬先輩の事どう思ってるの?」
「どうって、優しい先輩?」
香奈は私の顔をじっと見ながら
「本当にそれだけ?」
「んー...。実はね、気になっているというか。傷心してるときに側にいて元気づけてくれたっていうのは大きいんだと思うんだけど。先輩と一緒に居ればいるほど安心出来たり、もっと知りたいって思う気持ちが出てきてるのは事実...。」
香奈に最近思っていることを素直に話してみる。
「それなのに何でそんなに浮かない顔しているの?」
「いやだってさ。婚約破棄したばっかりだよ。光希がもう彼女作ってて、あんな気持ちになってたのに私も結局同じなの?って思うと微妙でさ。」
先輩が気になりつつも、私も光希と同じなのかもしれないと思うとやりきれない気持ちだった。
そんな私に香奈は
「そんなの関係ないよ。瑞希はたまたまそういうタイミングだっただけで元カレとは話が違うじゃん。」
「そうかな。」
「そうだよ。それに、相馬先輩なら私も応援する!大事にしてくれそうだし、あの顔毎日拝めるとか最高じゃん。」
「え、顔?」