恋愛なんてしない

そこからは特に何かを聞かれるわけではなく、先輩はお肉を頬張っていた。


細い体なのによく食べるな。

そういえば、同僚の中でも先輩って歳に似つかわないかわいい顔とスタイルと仕事ができて優しいという人柄で人気だったな。


そう思うと、私は光希のことしか見えてなかったんだと思い知る。


色々な事が重なって勢いで婚約破棄してしまった。

でもきっと、これでよかった。

でないと私が幸せになれない気がした。


この選択肢は間違えていなかった。

そう思えるといいな。



先輩は沢山のお肉を頬張った後、デザートを頼む。


そんな様子をぼーっとしながら見ていると目の前に差し出される1つのプリン。

どうしていいか分からずにじっとプリンを見つめる。


「少しはなんか食った方がいいよ。」